第46回 一から始める新選組勉強会

こんにちは、遅咲きの桜鬼です。
一昨日、【一から始める新選組勉強会】に初参加して来ました。

今日のブログは久々にかなり長くなりそうです。お飲み物を片手にお付き合い下さい(笑)

平日(木曜日)の19時~という事で、開始5分前くらいに着いた時点でいらしていたのは4人。私が座っていたのは一番奥だったせいで気付かなかったけれど、最終的には10名以上は集まっていました。

配られた【シラバス】と呼ばれる資料はA3サイズで6枚。それ以外に暦表と参考用資料。

ほとんどが釣先生の手書きによるもので、画像や参考文献なども含まれていて、このシラバス自体にすごい価値があるのではと圧倒されます。

また、このシラバスを書き上げるために費やした時間はかなりのものになるのでは無いでしょうか

こんな素晴らしい資料と先生の解説、お食事、ビール・お酒そして食後のコーヒーまで付いて¥3,000って良心的すぎます

今回から【新選組物語(子母澤寛・著)】の検証に入り、11人の隊士について勉強するとの説明があり、早速勉強会がスタート。

1人目の今回は何と、沖田総司

最近、ブログの外でもお世話になっているお方が一番好きな隊士です。

先生のお話は豊富な知識を織り交ぜながらになるので、色々な隊士の名前や新選組研究者の話などがポンポン飛び出して、メモを取るのに必死の2時間でした。

新選組物語は昭和6年1~12月にかけて文藝春秋に連載されたものを1冊にまとめたものらしいのですが、釣先生はそのコピーを文藝春秋関係者から入手していらして、それがシラバスに載っています。

私は初めて読みましたが、沖田総司にまつわるストーリーとして非常に有名らしい「黒猫の話」が【隊士絶命記】というタイトルで書かれています。そして、この【隊士絶命記】にまつわる検証もシラバスに書かれています。本当に1つ、1つを丁寧に追っていく勉強会なのですね。

【隊士絶命記】の最後は、「この話は介抱の老婆から、後に沖田林太郎(カッコ内省略)夫婦に語った実話である。(新選組物語より抜粋)」という一文で締めくくられているのですが、釣先生は『もしこの新選組物語が初出の話だとしたら、子母澤寛の創作と考えるべき作品だと思う』と仰っていました。

その理由もシラバスに書かれているのですが、世間一般ではどのように受け留められているのか気になる所です。

そして、沖田総司の終焉地については、過去に終焉地と伝えられていた場所の画像と現在の定説となっている場所の画像があり、また当時の地図もシラバスにあります。この地図は先生の手描きかもしれません。

場所は千駄ヶ谷駅に近い所(四谷四丁目の交差点から外苑西通りを外苑インターへ向かう途中)で、何度も通り過ぎていた場所だと知って、ビックリ

天然理心流道場が牛込柳町近辺にあったというのは見聞きしたことがあって、「近所に住んでいたのに全然知らなかったな・・・」と思っていたのですが、沖田総司の終焉地なんて、野口英世記念館の近くで、そのすぐ横にある病院に息子がお世話になったこともあります世の中って意外と狭いのね。

勉強会では沖田総司の戸籍謄本やお寺の過去帳に書かれている内容、(本当は本家ではないけれど本家扱いとなっている)現・沖田家に関する話、沖田家が白河藩に召し抱えられる前のこと・・・等々、恐らくとても貴重だと思われる情報が淡々と先生の口から出て来る、出てくる。

そして、沖田総司が亡くなった日についての検証もありました。

新選組遺聞では6月12日となっていたのが5月30日に修正されたらしいのですが、私が持っている2014年の改版第16刷では再び6月12日になっています。

釣先生は暦についての造詣が深く、シラバスと一緒に受け取った暦表の見方についての説明があり、明治2年~平成50年までの新暦で旧暦の5月30日にあたる日は1日もないことを教わりました。

ちなみに、沖田総司の命日は慶應4年5月30日で、新暦では1868年7月19日というのが(先生の)説です。また、近藤勇と土方歳三の新暦での命日もシラバスに書かれています。

3つあると言われている沖田総司の没年齢については、22才、25才、27才らしいのに、私の手元にある新選組遺聞では26才とあります。先生は「26才は初めて聞いた」と仰っていて、私には何が何だか分かりませんが

かなり内容の濃い勉強会で、到着直後とはまた違った意味で圧倒されました。

私のような初心者でも参加可能ですが、せめて新選組始末記と新選組遺聞を読んでおくと、何とか話に付いていけると思います

先生に「できるだけ史実に忠実な新選組の本を読みたいんです」と伝えた時に勧められたのが下記の3冊。

 新選組始末記

新選組始末記―新選組三部作 (中公文庫)/中央公論社

¥843
Amazon.co.jp

漢字や古文書に自信がない方には、下記の中教出版社が総ルビ(ふりがな)でお勧め。

新選組始末記 (新人物文庫)/中経出版
¥1,028
Amazon.co.jp

 新選組遺聞

新選組三部作 新選組遺聞 (中公文庫)/中央公論社
¥802
Amazon.co.jp

 定本新撰組史録(平尾道雄・著)

定本新撰組史録/新人物往来社
¥3,024
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釣先生の本は絶版になっているものが多いようですが、参加者に先生の本の収集をなさっている方がいらして、勉強会で何度か先生が「これについては本に書いているのですが・・・」と紹介していた【新選組再掘記】を数冊持っていらっしゃるそうで、今度1冊譲って頂けることになりました。

でも、次回の参加が2ヶ月以上先になってしまうかもしれないし、素晴らしい勉強会のお礼を兼ねてこの2冊をAmazonで注文。

勉強会の開始直後に先生が仰っていた、「歴史は科学だ」という言葉がとても印象的でした。暦や潮流という数字を使って史実を検証していく。これが釣先生のスタイルのようです。

この勉強会に出会えたことに感謝。

参加者の大半の皆さんとはほとんどお話できなかったけれど、初参加の私を快く受け入れて下さってありがとうございました。

先生の奥様もとても気さくで、お目にかかれて嬉しかったです

すでに次回の勉強会が楽しみ

6 件のコメント

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    新選組遺聞、ちょっと見てみました!
    ↑まだ読んでなかった(爆)
    ホントだ!ここでは
    6月12日になってますねぇ。。。
    今まで読んだ中では
    ほとんどが5月30日だったので
    ちょっと驚きましたーΣ(゚д゚;)
    まぁ、総司さん自体に史料が
    少ない方なので色々謎な部分が多いし
    こういう情報は、私も嬉しいです♪
    勉強になりましたぁ。
    まだまだ総司さんのことで
    知らないことはたくさんだぁ(´;ω;`)
    私も頑張ろう!

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    >polarisさん
    こんにちは。
    polarisさんが持っている新選組異聞も私と同じ最新版なのかな!?
    釣 先生も5月30日説を唱えているのだと思うのよね。シラバスと一緒に受け取った暦の資料が旧暦の5月30日を新暦で考えたらいつになるか?という検証だったし。
    新選組主要幹部の親族は、かなり貴重な遺品を処分して逃げた(隠れた)みたいだから、史料はとっても少ないのでしょうね。
    次回は芹沢鴨について学ぶようです。
    7月は旅行に行ってる場合じゃないって気がしてきた(笑)

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    人物一人一人の事も学べるなんて楽しそうです…!
    こういった会に参加出来たら、絶対夢中になっちゃいますね(。-∀-。)
    私も図書館で数冊新選組関係の本を借りてきました!でも遅咲きの桜鬼さんがブログで紹介してくれた本は置いてなくて…(涙)
    まずは、ど素人レベルをちょっと知ってるレベルにしていこうかと思います(笑)

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    >ターボさん
    図書館で新選組の本を借りてきたのですね。
    私が知らない本と聞いて、興味津々です。
    是非ブログで紹介をお願いしま~す!
    私もど素人レベルなので、一緒に勉強させて下さいね。

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    初めまして、東屋梢風と申します。
    当方ブログ「新選組の本を読む ~誠の栞~」にご訪問くださってありがとうございます。
    あんなブログですが、多少なりとお役に立てたなら幸甚に存じます。
    コメントいただいた件、承知いたしました。どうぞご紹介ください。
    『新選組遺聞』、当方の手元には中公文庫の1993年発行・第17版があります。
    現在の中公文庫版との違いは、活字が小さいぶんページ数が少ないこと。
    文章は変わりなく、その日付はやはり「慶応四年六月十二日」です。
    子母澤寛がこのように書いた理由は、正直わかりません。
    一方、近藤勇五郎が吉野泰三に語った「五月三十日、東京千駄ヶ谷において病死」が文書に残っているそうで、信憑性が高いと思料します。

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    >東屋梢風さん
    初めまして。
    当ブログのリンクをお伝えしていなかったにもかかわらず、わざわざお越し下さった上にコメントを残して下さり、ありがとうございました。
    その上、東屋梢風さんのブログへのリンクについてもご了承下さり、感謝します。(後ほどアップする記事で、東屋梢風さんのブログを紹介させて頂きますね!)いつも、~誠の栞~で勉強してから次に読む本を決めています。今後もどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m
    東屋梢風さんがお持ちの新選組異聞も6/12ですか?
    私自身はまだ数冊しか新選組の本を読んでおらず、全体像を掴む一歩を踏み出したばかりですが、いつか近藤勇五郎さんの書簡に辿り着けると良いな~と思います。

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