祖父母のアルバム

 

 

2年前に祖母の幼少時~結婚直後の写真が出てきたと知り、アルバム1冊にまとめました。

 

写真は大正時代~昭和10年代までの年代物でしたが、きれいな形で残っていました。

祖母は沖縄生まれの沖縄育ち。

沖縄に移住した両親がお酒の問屋さんを営み、大繁盛していた頃に生まれました。

 

家には小間使いさんやお手伝いさんが沢山いて、お嬢様として贅沢な環境で育ったそうです。

残っていた写真は、写真館で撮影されたものが多く、当時そんなことが出来たのは、かなり裕福だった証拠。

金貨の帯どめ、年に1度は新調してもらう着物など、白黒の写真でも豪華な様子が分かるものばかり。

コメントは、祖母に思い出話を聞きながら、時間をかけて整理しながらの日々でした。

 

1年後、今度は祖父の写真がまとまって出てきたと聞き、今度はピックフォリオにまとめる決心をしました。

 

祖父は鹿児島で生まれ、祖母とは正反対に貧しい暮らし。お金がなくて小学校卒業後に奉公へ出たものの、頭脳明晰な祖父のために恩師が奨学金のスポンサーを見つけて下さったお陰で勉強を続けられた人です。

 

鹿児島の通称「七高(旧制第七高等学校 造士館)」から、東京帝国大学(現在の東大)へ進み、戦後は通産省、そしてニューヨーク大学大学院へ。

 

佐久間ダム建設のため、初めて日本に重機を輸入する仕事に携わった後は本人の強い希望で、英文学者としての執筆活動に従事しました。

 

祖父はメルヴィルの研究に残りの半生を費やし、沢山の本を出版しました。

 

そんな個人史を紐解くようなアルバムが、会葬にお見えになった方々に好評でした。

 

大好きな祖父母と自分を繋ぐ宝物として、半分は自分のために作ったアルバム。

 

「過去を大切に保存する」

その意義を身をもって実感する今日この頃です。