こんばんは。遅咲きの桜鬼です。
ヨーロッパ旅行は移動時間も結構あったので、電子書籍版で購入しておいた池波正太郎さんの著作2冊を読み終えることが出来ました。
その内の1冊が【幕末新選組】で、永倉新八さんを主人公とした創作小説(下記の注記をお読み下さい)です。
注(追記部分):
私は創作小説と理解していますが、流れは史実に基づいた内容になっていると思われます。ただ、ご本人と本の中の永倉新八さんが同じなのか、本当に藤堂平助と最初は反目しあっていたのか・・・等々、キャラクター設定に関しては史実なのか創作なのか判断のつかない部分があります。いつの日か、これが分かる日が来ると良いな。
(追記終わり)
私自身の知識が乏しすぎてこの本で描かれているキャラクターがご本人に近いのかどうか境界線が分からなかったのですが、とても面白くてあっという間に読み終えてしまいました。
以前、永倉さんご自身が著した【新選組奮戦記】を読んだ時の感想にも少し書いたのですが、子母澤寛さんの新選組三部作シリーズでは突然出てくる感の強い芳賀宜道さんという人との繫がりがより一層よく分かり、永倉新八さんが新選組と袂を分かってから芳賀宣道さんと靖共隊を立ち上げた理由が納得できます。ちなみに、芳賀宣道さんは市川宇八郎さんが養子縁組した後のお名前です。
この本の中での原田左之助さんはやはり、「妻子のことが気にかかって靖共隊から離れた」という捉え方をされています。このお方に関しては非常に史料が少ないので、『彼の真の姿に迫った史実に近い本を読んでみたい!』と願わずにいられません。
私が新選組に興味を持つキッカケとなったゲーム【薄桜鬼】での永倉新八さんは、「飯と筋肉だけが命!」みたいな立ち位置で描かれているのですが、【幕末新選組】では「非常に江戸っ子らしい気質を持った人」というように描かれています。
この本の中での新八さんの「江戸っ子気質」とは、「物事にとらわれない」という部分を指しているようです。色恋沙汰に関しても人付き合いにおいても、相手を思い遣りつつ過ぎたことに根を持たない。そして、恩人に対してはずっとそのご恩を忘れないという義理堅さも持ち合わせている人。
何だかんだ言っても武士(それも下級武士出身の左之さんとは違って、そこそこの位を持ったお家柄)の家に生まれた新八さんは教養もあった訳ですし、近藤勇に対しては局長であっても同志という感覚でいたからこそ、言いたいことはハッキリと伝える堂々とした部分もあったのですね。
(以下、追記部分)
また、暴力的でアル中みたいな描かれ方をする芹沢鴨については、この本を読むとかなり好感度が上がるかもしれませんよ。本当かどうかはまだ私には判断できませんが、芹沢鴨には若くして亡くした弟がいたらしく、永倉新八さんがその弟に似ているという理由で可愛がられたようなのです。
(追記終わり)
この本を読んだお陰で、読まず嫌いな状態だった司馬遼太郎さんの【燃えよ剣】を読んでみようと思えるようになりました。