僕のうしろに道はできる

昨日、シドニーで【僕のうしろに道はできる】というドキュメンタリー映画の上映会があり、知人Rさん、息子、そして私で行って来ました。

 

私は4年前に【1/4の奇跡】というドキュメンタリー映画と山元加津子さんの存在を知りました。山元さんは『かっこちゃん』と呼ばれていて、今年の3月まで金沢の養護学校教師を30年以上勤めていた方です。かっこちゃんは週末の多くを講演会に費やし、沢山の声なき声を伝え続けてきました。

 

念願かなって【1/4の奇跡】を見ることが出来たのは、2012年1月です。シドニーへ帰る直前にインターネットで検索していたら、藤沢市で自主上映されることが分かったのですが、それを知ったのは当日のこと。しかも週末だったので、担当部署に電話をしたところ、担当者に確認してお返事を頂くことになりました。

 

その日は午前中に子供たちと掃除道具やお供え物などを持ってお墓参りに行っていたのですが、帰宅する直前に電話があり、上映会に参加させて頂けることになりました。電車を乗り継いで1時間以上かけて(掃除道具を抱えて!)、子供たちと【1/4の奇跡】を観に行ったのです。

私は涙、涙でしたが、子供たちの反応はいまいち。でも駅へ向かって歩いている時に、息子がポツリと、『お前なんか、いなくなれ!なんて言葉、もう絶対に口にしない』と言ったのです。私はそれで十分だと思いました。

 

それから2年。

シドニーで【僕のうしろに道はできる】を見る日が来るとは想像すらしていませんでした。しかも、今回はかっこちゃんの講演会もあるし、監督の岩崎靖子さんもいらっしゃって豪華な内容。

 

【僕のうしろに道はできる】はある日突然、脳幹出血で倒れた、かっこちゃんの同僚の宮田俊也さんのドキュメンタリーです。(以下はホームページより転載)

脳幹出血で突然倒れた宮ぷーこと宮田俊也さん。宮ぷーは、山元加津子さん(かっこちゃん)の元同僚でした。いつもかっこちゃんのことをそっとサポートしてくれた大切な仲間。宮ぷーは一生植物状態で、意識も戻らず、二度と体を動かすことも話ができるようになることもないと思われましたが、現在は、意思伝達装置を使っておしゃべりしたり、車椅子に乗って外出したり。まさに奇跡の復活、でも奇跡ではなかった。植物状態と思われても、回復する道はある。私たちにはまだまだ気づいていない可能性がある。宮ぷーのことを知った人達が、生きる喜びを取り戻していく。広がる輪、喜びの連鎖。苦しみは苦しみで終わらない。自分の、そして誰かの明日を輝かせる。絶望から生み出される希望のシンフォニー。

 

 

かっこちゃんが講演会で何度もおっしゃっていたこと。

 

このドキュメンタリーを観た方々は、こんな風に道を拓く方法があることを伝えて欲しいんです。もう二度と意識が戻らない(いわゆる植物状態)と宣告されたご家族や障害を持っている方のご家族の中には、回復の可能性があることすら知らない場合も多いのです。知らないということは、調べるという発想にすら繋がらない。この映画を見た一人一人がこの映画を周りに伝えて下されば、この情報が多くの人に届くきっかけになります。

 

今の自分に何ができるかな?とずっと考えています。日本に帰ったらボランティアでこのプロジェクトに関わるとか、自主上映のお手伝いをしようと思っているけれど、それはもう少し先のこと。なので、まず今この時点で出来る事として、こうしてブログで発信することにしました。そして、ホームページやブログにバナーを貼ろうと思います。

私はずっと障害(身体的・精神的どちらでも)を持つ方やそのご家族に対して、セッションや講座を特別価格で提供したいと考えていました。でも私は障害についての知識がまったくないし、ご家族のご苦労も知らない。だから、「障害を持つ方やそのご家族には特別割引があります」とホームページやブログに書くことが無神経な行動になるのではないか・・・と思い、どういう風に伝えたら良いのか分からないでいました。

 

この記事を読んで、何かを感じて下さった方、私のようにどうやって手を差し伸べたら良いのか分からないでいる方、あなたが出来ることから始めてみませんか?

いくつかリンクをご紹介します。良かったら、是非、訪問して下さいね。

 

  • 白雪姫プロジェクト
    病気や事故のために、意識が無く、回復の見込みが少ないと思われてきた「植物状態」と言われる人たちが世界に何十万人もいるといわれています。 その方たちは、これまで、ベッドで長い間寝たままの生活を送ってこられました。けれど、意識を取り戻し、食べる、思いを伝えるなどの生活行動を取り戻すための方法があることがわかってきました。白雪姫プロジェクトは、回復の方法や、それにつながる意思伝達の方法、口から食事をとること、リハビリの方法、介護の方法などの情報を集め広めるプロジェクトです。私たちは、「誰もが思いを持っていて、回復する可能性がある」ということが当たり前になっていく世界をめざします。白雪姫は王子さまの愛によって、目覚めることができました。白雪姫プロジェクトはそんな愛でいっぱいのプロジェクトです。
  • 1/4の奇跡 ~本当のことだから~
    すべてのことやものは必要があって存在していること、みんなが違っていていい。そして一人一人が大切で、かけがえのない”いのち”であり、それを生かす大きな力の存在を、描き出していく。私達の”いのち”の鍵をそっと開いてくれる感動のドキュメンタリー。
  • 僕のうしろに道はできる
    脳幹出血で倒れ、意識が戻ることも、身体が動くこともないと診断された『宮ぷー』こと、宮田俊也さんのドキュメンタリー。
  • 宮ぷーこころの架橋プロジェクト
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