子孫が語る 永倉新八(杉村悦郎・著)

 

先日の山南忌で永倉新八さんの生家のご子孫とお目にかかる機会があったこともあり、東京に戻ってすぐに幾つか本を探し求めました。

そして、昨日届いたのがこちらの本。

永倉新八さん直系のご子孫である、杉村悦郎さんが著した【子孫が語る 永倉新八】という本です。幸運なことに、新品・定価で手に入れることが出来ました。

 

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この本は小樽新聞に掲載された記事を元に発行された【新撰組顛末記】に関する内容から、ご子孫が気になった部分を掘り下げています。

ただでさえ新選組に関する知識が乏しい私は、取り敢えず表面をなぞるようにサラッと一読しただけに過ぎませんが、新選組隊士のご子孫であることを公にすることが憚られていた時代が長かったこと、解明できない事柄がとても多いことが印象的でした。

 

あくまでも個人的な繋がりから興味深く読んだのが、「上野公園にある西郷隆盛銅像の西郷さんが実物とは異なるという声があった」という部分。西郷隆盛は写真嫌いで肖像画なども描かせなかったため、銅像を作る際に苦労した話がありました。

私の高祖父(祖父の祖父)は島津斉彬公に仕えた日本画家で雅号を瀬尾鶴汀(かくてい)と言いましたが、西南戦争に赴くことに決めた西郷さんが最後に高祖父に会いに行った時の西郷像を絵で残しています。

つい数週間前に鹿児島市内にある黎明館で特別に見せていただいたのですが、私たちが絵を通じて知っている西郷さんと銅像の西郷さんは違います(去年の一時期、祖父・南海の特別展が黎明館で開かれ、その際に鶴汀が描いた西郷さんの肖像も展示されておりました)。

 

また、この本には釣先生のお名前が2回登場していて、とても驚きました。

同時に、いつも楽しい話術で私たちを楽しませて下さっている先生が新選組研究家として多くの方々に知られている著名な方なのだと改めて実感したのも事実です。

その中で釣先生の著書【新選組再掘記】についての記述がありましたので、次はこの本をしっかり読もうと思います。

 

【新撰組顛末記】には掲載されなかった【新撰組・永倉新八(私家本)】に寄稿された文章が幾つかあり、私家本を手にすることが出来ない私たちにとっては貴重な史料だと思います。

杉村氏のご自宅にも私家本は保管されているそうですが、保存状態が非常に良い別の私家本を入手した経緯については鳥肌モノでした。

人のご縁の不思議に思いを馳せたひと時でした。