一眼レフ初心者が知っておきたいレンズの基礎知識

 

こんにちは、masakoです。

このブログを立ち上げるきっかけになったのは、8年間使ってきたニコンD5000にレンズを買い足して脱初心者を目指すか、それともこの機会に買い替えるかを検討している中で、聞きなれない言葉や一眼レフの世界の深さに戸惑い、忘備録として残そうと思ったからです。

 

そんな戸惑いの中に、レンズのことがありました。

レンズの種類だけでなく、焦点距離・絞り値(開放絞り値)・画角、はたまたフルサイズ対応レンズとAPS-C対応レンズによる焦点距離の違いなど、レンズに関しては学ぶことが多く、理解するのに時間がかかったのも事実。

 

そうは言っても、一眼レフのメリットの1つは、被写体によってレンズを交換できる点。

検索をして多くの記事を読んだり、ニコンプラザでのDXレンズ講習会やShaw AcademyでPhorography講座を受けていることもあって、短期間でレンズの知識を蓄えつつある今日この頃です。

 

この記事ではレンズの基本中の基本について、私が理解していったような流れで書いてみます。

どちらかと言うと、まずここに書いてある内容を理解して初めて次のステップへと進めるという感じです。

必要に応じて専門用語を使っている文章がありますが、おおまなかことを知るだけでも十分学ぶことが多いので、その意味や仕組みについては省いているものも多いです。

 

レンズについての知識が増えると、かなりカメラを使いやすくなると思います。

余力があれば、ぜひご自身でお調べくださいね。

 

尚、完全に初心者のための初心者によるレンズの基礎ですので、もしかしたら間違った情報があるかもしれません(誤情報があった場合やさらに知識を得た時に適宜、更新していきます)。

 

また、サンプル画像はキヤノンの公式サイトには見当たらなかったので、ニコンのそれぞれのレンズのサイトで紹介されている撮影サンプル画像をお借りしました。

 

レンズは大きく分けて2つに分類される

1つはズームレンズ、もう1つは単焦点レンズ(たんしょうてんレンズ、と読みます)。

 

ズームレンズ

ズームレンズとは、被写体に寄ったり離れたり(=ズームイン&ズームアウト)できるレンズ。

デジカメ(コンデジ)などで、ズームボタンを押すとレンズが前にビューンと出て来るのをイメージすると、分かりやすいかもしれません。

 

高額なレンズには胴体が伸び縮みしないタイプ(インナーズーム)もありますが、初心者が使うキットレンズ(カメラ本体とセットで買えるレンズ)は基本的に伸び縮みするタイプだと思ってください。

 

つまり、状況によっては下の画像みたいに胴体が前に出てきます。

 

単焦点レンズ

単焦点レンズは、距離が決まっている(被写体に寄ったり離れたりができない)レンズ

被写体との距離が近すぎるなら自分で後ろに下がらなければいけないし、被写体が遠すぎるなら前に移動する必要があります。

 

これだけ聞くと単焦点レンズのメリットは感じられないかもしれませんが、重くて高額になりがちなレンズ群の中でも単焦点レンズはサイズがコンパクトで軽く、そして安価な点が魅力。

また、周囲をふわっとボカすことができるので、とても人気があります。

 

後述する明るいレンズに属するので、フラッシュ無しで夜景を撮影できるそうです。

私自身は単焦点レンズを持っているものの夜景を撮影したことはないので、いつか試してみたいです。

 

下の画像は50mm f/1.8という単焦点レンズですが、胴体はこれ以上長くも短くもなりません。

 

まとめ

ズームレンズは自分が動く代わりにレンズに動いてもらえ、単焦点レンズはレンズが動かない代わりに自分が動く。

 

明るいレンズと暗いレンズ

一眼レフやレンズを比較検討している中でたびたび見かけたのが、「明るいレンズ」という言葉でした。

「レンズに明るいとか暗いってあるの?」と最初の頃は不思議だったのですが、今は理解できます。

 

専門用語で言えば絞り値(F値)なのですが、その意味するところは今回は敢えて触れません。

 

レンズの明るさは型番で確認できます。

キヤノンはkiss X9iと9000Dで共通、ニコンはD3400とD5600で共通のレンズがセットになっています。

 

APS-C機の標準レンズを例に挙げてみましょう。

線を引いた数字の部分がレンズの明るさを表すと思ってください。

  • キヤノンの標準レンズ: EF-S18-55mmF4-5.6 IS STM
  • ニコンの標準レンズ: AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

 

Fが大文字か小文字かという表記の違いだけで、意味しているものは同じです。

もし一眼レフをお持ちでしたら、ぜひご自分のレンズの型番を確認してみてください。

カメラ本体との接続部分に近い場所に型番が見つかるはずです。

 

なぜ2つの数字があるかと言うと、18mmの距離ではF値が4(キヤノン)または3.5(ニコン)、55mmの距離ではF値が5.6になるレンズということを表しているからです。

 

明るいレンズ

Fまたはfの次に続く数字が1に近ければ近いほど、明るいレンズです。

そして、この数字が1に近いほど、値段が高くなります。

 

一般的にズームレンズは数値が2つ表示されているものが多いものの、フルサイズ対応の大三元レンズ・小三元レンズと呼ばれるレンズはズームレンズでも1つの数値になっています。

しかも、その数値が小さいので高額になるという訳ですね。

 

明るいレンズの利点は色々ありますが、初心者でも簡単にボケ感を出せること。

周りをボカせるということは、被写体の近くにいる人の顔がはっきりと写らないようにできたり、ちょっと散らかっている部屋で子供を写す時にも「ゴミ箱が入っちゃう・・・移動しなきゃ!」というような心配からも解放されます(^_^;)

 

暗いレンズ

実際は暗いレンズと言うより、「あまり明るくないレンズ」と言う人が多いように思いますが、分かりやすく暗いレンズとしました。

明るいレンズの逆で、Fまたはfの次に続く数字が大きくなればなるほど暗いレンズと呼ばれ、暗い場所ではブレやすくなったり、写真全体が暗く写ってしまうことがあります。

 

調べたところf/6.3が一番大きい数字で、多くはf/5.6くらいという印象です。

5.6や6.3が一番暗いと考えた時、標準レンズは「あまり明るくない」ことが分かるでしょうし、先ほど紹介したニコンとキヤノンの標準レンズ2つをF値だけで比べたら、ニコンの標準レンズのほうが少し明るいことが分かりますね。

 

とは言え、最近のレンズはとても性能が良いので、F値3.5でもボケ感のある写真を撮ることができます。

ボカす範囲や程度の差と覚えておくと良いでしょう。

 

どうやって使い分けるのか

明るいレンズ(F値が小さいレンズ)=周囲が暗くても、フラッシュを使わずに私たちが目で見ている光景とほぼ同じものを撮影できるという特性があります。

つまり、屋内や夕暮れ・夜景など、光の量が少ない状況での撮影時にもフラッシュなしで使えたりする。

 

暗いレンズ(F値が大きいレンズ)だと、たとえばお誕生日ケーキを前にした真っ暗な室内でキャンドルだけが灯っているような状況ではブレやすくなるし、フラッシュ無しでは難しい。

逆に、晴天の屋外であれば光の量が十分にあるので、レンズの明るさを気にしなくても良いことになります。

 

まとめ

自分が使おうと思っている場面によって、最適なレンズは異なります。

室内は私たちが思っているよりもカメラにとっては暗い(光の量が足りない)ので、できるだけ明るいレンズを選びましょう。

 

ただし、明るいズームレンズは大三元・小三元レンズになってしまうため、多くの人が比較的安く購入できる単焦点レンズを選ぶ傾向にあります。

旅行を含めた屋外(晴天〜曇天)であれば、あまりレンズの明るさを心配せず、必要な距離がカバーされているレンズを選べばOKです。

 

レンズの名前

すでに標準レンズという名称を使いましたが、他にもレンズの特性に合わせて名称がいくつかあります。

標準レンズでズームができるものは、標準ズームレンズと言ったりします。

 

基本的に距離を示しているのですが、専門用語では焦点距離と言います。

焦点距離については名称だけの紹介にしますので、詳しく知りたい方はお調べください。

  1. 標準レンズ
  2. 望遠レンズ
  3. 広角レンズ
  4. マクロ(マイクロ)レンズ
  5. 魚眼レンズ
  6. 単焦点レンズ

 

標準レンズ

一般的な撮影で使用する範囲の距離をカバーしたレンズ

 

標準レンズとは、人間の視覚(50° or 130°)を基準としているそうです。

15mm〜85mm前後までをカバーしているのが標準ズームレンズのカテゴリーに入るようですが、中には100mmくらいまでのレンズも標準レンズとみなしているようです。

 

カバーしている範囲は、レンズの型番を見れば分かるようになっています。

 

たとえばニコンD5600の標準レンズの型番は次のようになっているので、18mm〜55mmの距離をカバーしていると理解するわけです。

例) AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

 

標準ズームレンズは日常のひとコマ、スナップ写真(人物が被写体)、風景など多くのシーンで活躍しますので、使う場面が多いレンズです。

 

慣れてくると「もっと近づきたい」とか、「もっと撮影範囲が広ければ(または狭ければ)良いのに」などと感じる場面があるかもしれません。

その場合、これからご紹介するその他のレンズから、必要なシーンに適したレンズを選びましょう。

 

初めて一眼レフを手にしたばかりであれば、普段よく使う距離(自分好みの距離)が把握できるまでは、標準レンズでたくさん写真を撮ることをおすすめします。

 

ネットで調べた知識で「単焦点レンズが良いらしい」と学んだからと言って、自分に最適な距離をカバーしている単焦点レンズが分かったわけではありません。

買ったものの使わなかった・・・ということがないように、まずは付属レンズでどんどん撮影をしていくほうが良いです。

 

よく使っている距離については、カメラ本体の【画像再生画面】で詳細が表示されます。

操作方法は機種によって異なるため、説明書で確認なさってください。

 

ニコンであれば、無料ソフトのViewNX-i(PCでの画像再生)やNIKON IMAGE SPACE(SnapBridgeを使うと自動的に転送される画像再生ソフト – スマホ・タブレット・PCで再生可能)であれば、より分かりやすく表示されます。

 

たとえば下の写真の場合は、50mmと出ていますね。

 

もちろんズームレンズだけでなく、一つの焦点距離だけを持つ単焦点レンズもあります。

DXレンズ(APS-C機用)

  • AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G

 

FXレンズ(フルサイズ機用)

  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
  • AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

 

望遠レンズ

ダブルズームキットを選ぶと、セットとして手に入る望遠レンズ。

遠くの被写体をより近くに見えるように、ズームで調節してくれるレンズです。

 

自分のいる場所からかなり離れていても大きく写すことができますので、お子さんの行事やディズニーなどで活躍してくれます。

55mmまたは70mmから始まり、最大200〜300mmというものが一般的で、レンズを見れば分かるようになっています。

 

ニコンの望遠レンズはたくさんありますが、APS-C機用(DXレンズ)とフルサイズ機(FXレンズ)を比較してみましょう。

  • APS-C機用:AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR
  • フルサイズ機:AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED
  • フルサイズ機:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

 

さて、復習です。

この中で一番明るいレンズはどれでしょう?

 

答えは、一番最後のフルサイズ機(AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR)です。

 

f/2.8とありますね。

他の2つはf/4.5-6.3、f/4.5-5.6になっています。

 

ちなみに、一番明るいレンズは大三元レンズと呼ばれるもので、定価350,000円超えです。

3万5千円ではありませんよ、35万5千円です(>_<)

 

広角レンズ

周囲の風景をできるだけ最大限、写真の中に収めたい時に使います。

 

たとえば神社仏閣や建物を撮るシーンでは、広角レンズを使うことで全体を写真に収めることができます。

また、普通はタワー(塔)の全体を1枚に収めることはできないけれど、広角レンズであれば1枚に収まる可能性があります。

 

どれくらいの角度まで対応しているかは、レンズ次第。

型番に表示されているmmの数字が小さければ小さいほど、より全体を含めることができるレンズという意味。

 

たとえば、ニコンには3つの広角ズームレンズがあります。

  1. AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
  2. AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
  3. AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED

 

広く写真が撮れる順番は、1(最も広い)→2→3(最も狭い)です。

3は最も狭いと書いていますが、分かりやすくするための説明であって、十分に広角です。

 

ここで、「あれっ、でも標準レンズは18mmスタートだよね!?じゃあ、標準レンズでOKなんじゃないの?」と思った人がいるかもしれません。

確かにAPS-C機に対応した標準レンズは18mmスタートですが、これはフルサイズ機では27mm(ニコン)または28.8mm(キヤノン)となります。

 

これがフルサイズ機とAPS-C機の焦点距離の違いで、女性の一眼レフ初心者がカメラを選ぶなら?の【フルサイズかAPS-C機か】で画像とあわせて少し触れています。

女性の一眼レフ初心者がカメラを選ぶなら?

 

ややこしくなるので、今回は説明を省きますね。

 

マクロ(マイクロ)レンズ

マクロ(マイクロ)レンズは、被写体により近づいて接写できるレンズです。

 

キヤノンはマクロレンズと呼び、ニコンはマイクロレンズと呼んでいます。

その言葉の意味については、マクロレンズ or マイクロレンズ?という記事をご覧ください。

マクロレンズ or マイクロレンズ?

 

普通は被写体に近づきすぎるとオートフォーカスが効かなくなりピンぼけ写真になってしまいますが、このレンズであれば被写体との距離は20cm前後まで近づけます。

しかも、レンズから被写体までの距離ではなく、カメラ本体内部にあるセンサーからレンズまでの距離。

実際の撮影時は被写体にレンズが触れるか触れないかくらいの距離まで近寄れます。

 

お花・虫・お子さんの手足などを撮りたい時に便利なレンズで、植物についた水滴を幻想的に撮ることもできます。

それだけでなく、スナップや風景写真を撮る時に使うことも可能。

お花や植物などを撮りたい人であれば、お散歩の時にこのレンズを装着していれば風景も接写もできて便利ですね。

 

接写できる距離はレンズごとに違うので、メーカーのサイトまたはレンズ本体に付属する説明書で仕様を確認してください。

 

マクロ(マイクロ)レンズは型番に必ずマクロ(キヤノン)または Micro(ニコン)と書いてあるので、すぐに分かるでしょう。

  • AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED(ニコン):接写もできて、60mmのレンズ(標準レンズ並み)としても使える
  • EF100mm F2.8マクロ USM(キヤノン):接写もできて、100mmのレンズ(中望遠レンズ並み)としても使える

 

ちなみにマイクロレンズ(マクロレンズ)は、後述する単焦点レンズでもあります。

上に挙げたレンズの型番をご覧いただくとお分かりのように、焦点距離が一つ(60mmや100mm)ですね。

 

 

魚眼レンズ

その名の通り、魚の眼で見ている世界を表現するレンズ

 

このレンズはFisheyeまたはフィッシュアイという名前がレンズの型番についています。

  • ニコン:AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED)
  • キヤノン:EF8-15mm F4Lフィッシュアイ USM

 

説明するよりも実際の画像を見たほうが分かりやすいかな。

真ん中に向かって、湾曲した構図の写真が撮れます。

 

私は初心者なので、魚眼レンズがどういう場面に最適なのか、どういう人に必要とされているのかが現時点では分かっていませんが・・・。

 

 

単焦点レンズ

記事の冒頭で説明した通り、単焦点レンズはズーム機能がついていない、1つの焦点距離しか持たないレンズ

レンズが被写体に近づいてくれないため、自分の足で動く必要があります。

 

「単焦点レンズを使った撮影は、技術を上げるのにとても良い練習方法」と書いている記事を多く見かけました。

それは、「自分の足で動くことで、構図(どのように被写体を1枚の写真に収めるか)に必要な距離感を覚えられるから」というのが理由だそうです。

 

単焦点レンズはズームができない代わりに明るいレンズが多く、その分ボケ感を楽しむことができます。

最初にも書きましたが、暗い場所や夜景などでフラッシュを使わずに撮影することも可能だそうです。

 

たとえば大三元レンズはf/2.8、小三元レンズはf/4で「明るいレンズ」と呼ばれますが、単焦点レンズはf1.4やf/1.8が多いので、もっともっと明るいレンズと言えます。

明るいだけでなく、かなり安価で提供されているレンズもあります。

 

パンケーキレンズ(まるでパンケーキのような薄さ)と呼ばれるキヤノンのEF40mm F2.8 STMは、f/1.8に比べると暗いですが、この薄さ。

 

 

ほとんどレンズの蓋みたいな感覚ですね。

見た目通り、たった130gという軽さ!

定価は23,000円(実売価格は13,000円くらい)。

 

多くの初心者にとって、キットレンズの次に手に入れるのが単焦点レンズになると思われますが、ここでとても大切なことがあります。

それが焦点距離という、広角レンズの説明で少し触れた言葉。

 

焦点距離やフルサイズ機とAPS-C機の換算について詳しくない人で、APS-C機を持っている場合は、35mmの単焦点レンズを選びましょう!

「標準は50mmの単焦点レンズ」という記事を多く見かけることになるでしょうが、それはフルサイズ機の話です。

 

また、レンズについて調べていると「いずれフルサイズ機に移行した時のために、レンズだけはフルサイズ機対応のものを選ぶ」という人の質問スレをよく見かけますが、個人的にはおすすめしません。

 

その理由は同じレンズでも、APS-C機とフルサイズ機で使った時の画角が異なるから。

下の記事にもう少し詳しく書いていますので、興味のある方はお読みください。

一眼レフを買うなら part.2

 

1日がかりで書いてみましたが、少しはレンズに関する疑問を解消できましたでしょうか?

私も日々、勉強中の身です。

お互いに、楽しみながら一眼レフと仲良くなりたいですね!

 

ニコンの公式サイトは情報満載でとてもおすすめ。

レンズについても学べます。