こんにちは、makoです。
前回、一眼レフを買うなら part.1でニコンの特色を挙げました。
part.2 では、一眼レフ初心者がフルサイズ機を選ぶ時に注意したいポイントについて書いてみます。
スペックやそれぞれの機種の違いではなく、「初めてフルサイズ機を検討する」という視点で、初心者の観点から考慮したい点を挙げることにしますね。
持ちやすさ
こればかりは、実機に触れないと分からない部分です。
男性と女性でも受ける印象は異なるでしょうし、手の大きさや握力も関係してきます。
グリップ(写真を撮る時に握る部分)の深さによって、持ちやすさも変わってきます。
それぞれの好みもありますから、必ず実機を置いているお店で確認しましょう。
D850が発売された頃にお店で触れた時は、「グリップの奥まで手が届かない」と感じていました。
2018年5月からD850を使い始めたけれど、そう感じることはないので、慣れもあるように思います。
望遠レンズのように重たいレンズを装着した時は、D850のほうが安定感があるな〜と感じます。
気軽に持ち歩きたい時は、Dfと50mm単焦点レンズ or 広角レンズで出かけます。
Dfが大好きなので、望遠レンズでなければ、いつもDfがお供になっている感じ。
重さ
男性には苦にならない重さでも、女性にはかなりズッシリとした重みを感じることは間違いありません。
特にD3000シリーズやD5000シリーズを最初に触れた後であれば、「フルサイズは無理!」と思ってしまうかもしれません。
少なくとも、2017年5月の私はそうでした。
でもね・・・
画像の美しさを知ったら一眼レフをどんどん使いたくなるだろうし、暗い場所でも思い切り感度(ISO感度)を上げることができるフルサイズ機の恩恵を体験できたりする頃には、「重さには多少目をつぶってでも画質を!」と考えるようになるはず。
そう感じるようになった頃には、「フルサイズ機にしておけば良かった」と考える自分を発見するでしょう。
ちなみに、今の私はD850に70-200mm f/4G ED VRのレンズ(総重量は約1,855g)を重たいとは思わなくなりました。
カメラ本体だけでなく、レンズを装着した時の重さを知っておくことも大切なので、購入を考えているレンズを装着した状態で持ってみることをお忘れなく。
カメラとレンズについて多少の知識をつける
フルサイズ機にはボディ(カメラ本体)のみしか販売されておらず、自分でレンズを選んで同時に購入することもあり得ます。
最初に現行機種をすべて手にとって、グリップの握りやすさやレンズを装着した状態でのカメラの重さなどを確認したら、自宅に帰って一眼レフの勉強をしましょう。
画素処理エンジン
ニコンはEXPEEDという名前で、最新機種のD850はEXPEED 5が搭載されています。
私が所有しているDfはEXPEED 3ですから、2世代前ということになりますね。
画像処理エンジンは最新のほうが良いので、できるだけ最新に近い世代を搭載したカメラを選ぶことをおすすめします。
ちなみに、このEXPEED 5が搭載されているフルサイズ機は、他にプロ向けのD5(カメラ本体だけで60万円前後)だけです。
2018年8月下旬にはニコンがミラーレスのフルサイズ一眼レフを9月から発売すると発表し、そのミラーレス機には初めてEXPEED 6が搭載されるそうです。
画素数
高い画素数=素晴らしい、というわけではありません。
保存するデータが大きくなるので、より大容量の記録メディアが必要になります。
PCで編集をするのであれば、古い or 低スペックのPCでは難しい。
高画素のカメラを買うなら、この点をしっかり考慮しなければなりません。
また、高い画素数を誇るカメラが高感度とは限らない、という記事を読んだことがあります。
これについてはカメラの知識をお持ちの方々が記事を書いているので、検索して勉強なさってください。
感度
暗い場所、つまり光量が足りないシーン、たとえば部屋の中(意外とカメラには暗いと分類される場所の一つ)や夜景を撮りたい場合は、高感度に対応したカメラがおすすめ。
Dfは画像処理エンジンこそ2世代前だけれど、最上位機種D5の1つ前のモデルであるD4の高感度を持っているので、「暗い場所でもきれいに撮れる」と言われています。
それぞれのモデルの特色を知っていることも大切です。
と言っても、私はフルサイズ機ということ以外は何も知らずに「このカメラを使いたい!」という理由だけでDfを買った人間なので、偉そうなことは言えませんが(^_^;)
今でも「買ってよかった」と心から思えているので、そういう出会いもアリということにしておきましょう。
レンズ
広角ズームレンズ、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズ、単焦点レンズ、マイクロレンズ、魚眼レンズがあります。
どのような被写体あるいはシーンを撮りたいかによって、自ずと必要なレンズが決まってきます。
使いたいシーンは必ず1つか2つあると思うので、それを基準に選びます。
撮りたいシーンも曖昧だけど・・・という場合は、好きな写真の「撮り方」レシピなどの作例を見ると良いでしょう。
使用したレンズやカメラの種類・設定が記載されているので、イメージが湧きやすいと思います。
キットレンズから始めよう
「セットになっているレンズ(キットレンズと呼ばれます)はやめたほうが良い」とか「キットレンズではなく単焦点レンズを選ぼう」と書いてある記事も多く見かけますが、初心者は被写体との最適な距離なんて分からないはず。
単焦点レンズの魅力に気づくのは、ある程度カメラに慣れてからになるでしょう。
初心者の視点で言うと、カメラに慣れるまではズームレンズのほうが使い勝手が良いと思います。
フルサイズ機のキットレンズは良いレンズをかなり安く入手できることになるので、レビューなどで情報を確認して自分が使いたいシーンに適していると思えるなら、キットレンズとセットになったものを選ぶのがおすすめ。
まずはズームレンズを使ってたくさん写真を撮り、その後ViewNX-i(無料ソフト – 撮った画像データを確認できます)でよく使っている焦点距離を知ること。
好みの焦点距離を知ってから単焦点レンズを購入するほうが、無駄がありません。
ただし、キットレンズが数種類ある場合、ある程度のレンズ知識は必要です。
購入後に「別のセットにすれば良かった・・・」という状況を避けるためにも、最低限の知識を持つようにしたいものです。
スペックだけで判断しない
日本人って変な生き物だな〜と思うのが、スペック至上主義なところ。
大三元や小三元というネーミングは言い得て妙だけど、スペックだけで判断するのは危険です。
私は最近70-200mm f/4という望遠レンズを買いましたが、自分なりにリサーチ&熟考した結果、「これなら必ず使い続けられる&ぜひ使いたい」と納得したのが理由です。
大切なのは、使うシーンに適しているか?という一点です。
もちろん、「画質を最優先にして重さには目をつぶる」という考え方も一つの方法です。
これが悪いと言っているのではなく、そう思えるなら、むしろ最初から大三元レンズを3つ揃えることをおすすめします。
私は、大三元レンズを3本だけ買うのが一番良いと考えているくらい。
結果的に最も少ない投資で済み、画質も非常に満足できて、撮っている時のストレスが少ないでしょう。
ただし、重すぎて持ち歩くのが億劫になってしまったら、大三元・小三元レンズを所有している満足感だけで終わってしまう可能性があることを覚えておくべき。
初心者は、レンズの重さから手ブレ写真を量産する可能性も高い。
大事なシーンが手ブレ写真になってしまったら、どんなに性能が良いレンズでも意味がありません。
確かに大三元レンズ・小三元レンズは素晴らしいですが、重くて持っていかなくなってしまったり、ブレた写真になってしまうのは、本当にもったいないです。
目的に合ったレンズを選ぼう
20〜30万円近い投資をしても使わないくらいなら、自分に合ったサイズ・重さのレンズを選ぶほうが、一眼レフを使う機会がどんどん増えるでしょう。
カメラは使ってこそ楽しめるものなので、高価なレンズを所有する喜びだけに気持ちが向かないように、ある程度の理性も必要です。
一眼レフのレンズは高価です。
フルサイズ対応(FXレンズ)であれば、なおさらのこと。
現時点で最初に挙げたレンズの種類や違いが分からないのであれば、こちらをどうぞ。
その後、ニコン公式サイトのレンズナレッジとデジタル一眼レフカメラの基礎知識で学ぶのも楽しいですよ!
その他のチェックポイント
連続撮影回数
連写性能を求められるシーン(スポーツや走行中の車やバイクなど)であれば、これは大事なポイントになります
防塵・防滴
過酷な状況下でも使用する場合(登山や悪天候、水がかかる場所など)を想定しているなら、この機能があると安心です。
静音・無音撮影
発表会や披露宴などシャッター音が気になるシーンでおすすめの機能です。
フォーカスポイント
焦点を合わせられる数を示していて、使用目的によって必要なフォーカスポイント数は異なります。
WiFi、Bluetooth機能
撮った写真をすぐにSNSにアップしたい時や誰かに見せたい時は、これらの機能がついたカメラが必要です。WiFi機能のついたSDカードもありますが、たとえば金属で覆われたDfでは干渉が多くてうまく機能しないようなので、その場合は5,000円ほどで購入できるWiFiユニットと無料アプリを使用する方法もあります。
ニコンのフルサイズ機 現行機種
2018年1月現在、ニコン公式サイトで現行機種としてラインナップされているフルサイズ機は下記の表の通りです。
実機を手に取ってみて、ある程度は候補機種が決まっていると思うので、ここではスペック比較はしていません。
プロ向けのD5とちょっと特殊なDfを選ぶ人はあまり多くないと思われますので、D850・D810・D750・D610のいずれかになるのではないでしょうか。
Df大好きな私としては、ぜひDfをおすすめしたいところですが、D850のほうが合理的ですかね・・・。
D850は現在ボディ本体のみでの販売なので、レンズは別途購入する必要があります。
尚、表には含めませんでしたが、星空を撮りたい人には天体撮影専用として発売されているD810Aがおすすめだと思われます。
上位機種であればあるほど、カメラ本体も重い。
その分の価値はありますが、ただでさえフルサイズ機は重たいですし、レンズを装着するとさらに重量が増えます。
重さがネックになって使わないのでは、本末転倒になってしまいますよね。
スペック重視でいくと「上位機種=重たい」という構図は目に見えていますから、それよりも「どういうシーンで撮りたいのか」をしっかり考えることが大事です。
ただし、私自身がそうであったように、完全な一目ぼれで選ぶのも大いにアリ!だと思います。
「好き」という気持ちがあれば、重さは自然と気にならなくなっていくもの。
半年前に400gのレンズでさえ重いと悩んでいた私が、850gのレンズを装着して外出するようになっているのですから。
最後に
スペックを見て、「あーでもない、こーでもない」と思いを巡らせる人も多いかもしれません。
でも、フルサイズ機は十分に高スペックです。
初心者が心配しなくても、どれも素晴らしい写真が撮れます。
個人的にはカメラ本体よりもレンズの良し悪しが結果をコントロールするのではないか、と感じています。
実践を重ねることで上達するものなので、どんどんカメラを使うことが大前提ですが。
レンズに投資
カメラ本体に無理に投資するくらいなら1つ下のカメラを選び、差額でより良いレンズを購入するほうがおすすめ、というのが私個人の考え。
レンズは長く使えますが、本体は数年ごとに新しいモデルが発売されますし。
レンズのところでも触れましたが、レンズの携行性も重要な要素になるので、バランスが大事です。
レビューや口コミに必要以上に惑わされない
様々なレビューを読んだとしても、マイナスのコメントに対して必要以上に反応しない、というのも覚えていたいポイント。
たとえば、「Dfにはオールドレンズでしょう」とか「Dfに大三元・小三元なんて・・・」という口コミがあったとしても、それはそういう考えの持ち主もいるというだけのこと。
私は見た目がクラシカルなものが好みなので、Aiレンズにも惹かれます。
だからと言って、オールドレンズを買い揃えようとは思いません。
レンズをほとんど持っていない初心者には、ある程度の知識とスキルが必要だと思われるオールドレンズよりも最新レンズのほうが使いやすい、と考えているので。
「あいつDfなのに小三元レンズつけてる」と陰口を叩かれるようなシーンがあったとしても、「人は人、自分は自分」と割り切ってしまいましょう。
そのカメラを持っていないのに、書き込む人もいるのが掲示板。
実機を使っていない人の言葉は、客観的とは言えませんよね。
一生懸命勉強したあとに、自分にとって使い勝手の良いと思えるものを買い、それなりに満足しているのであれば、それで十分ですよね。
もし「初心者のくせにフルサイズ機?」とか「重いのがイヤなくせにデジタル一眼レフ?」とか「レンズ交換はできるだけしたくないと言っておきながら一眼レフ?」なんて心ない言葉を浴びせる人が万が一近くにいたとしても、堂々と胸を張って使いましょう。
誰もが最初は初心者です。
「一眼レフ楽しい♪」とか「もっと写真を撮りたい(上手になりたい)!」という気持ちで過ごしたいですよね。
かなり話がそれましたが、今の私が考える一眼レフカメラの選び方について、2回に分けて書いてみました。
初心者だろうが、フルサイズ機からスタートすることは結果的に一番少ないコストでカメラを使い続けることになります。
ぜひフルサイズ機も候補に入れて、さまざまな視点で検討してみてくださいね。
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