新選組誠史(釣洋一・著) 

こんにちは、makoです。

先日から読み始めた【新選組誠史】ですが、とても興味深い視点から綴られていると思ったのでご紹介。

すでに新選組についてある程度の知識がある人にとっては、新たな視点から新選組を知ることになると思いますよ。

この本は「過去に発表されたノンフィクションと呼ばれる本に書かれていること」あるいは「本人が語ったとされる出来事」について検証しているのですが・・・。

新選組の歴史に対して自分なりのイメージがあって、それを覆されるのがお嫌なら読まない方が良いかもしれません。

逆に、「今までの理解とは180度異なる提議でも、それが真実に近いと思われるなら受け留められる」という柔軟な人は、絶対に読むべき。

私は表面的に新選組を学んでいる状態(=初心者)なのと、意見や受け留め方は人それぞれでOK!と考える性格ということもあって、客観的に「こういう検証方法も面白いな~」と思いながら読み進めています。

まだ100ページ弱しか読めていないけれど、例えば山崎烝についての一考。

史実のように語られている「活躍したと言われている池田屋事件」や「江戸へ向かう途中の水葬」は、実はフィクションである可能性が高いのではないか、と論じています。

その理由は釣先生の地道な検証に基づいていますので、ぜひ詳細はご自身でお読み下さい。

検証と言えば。

最後の生き残り隊士と言われている池田七三郎さん(本名:稗田利八さん)を探すために辿った道について書かれた部分があって、細い糸をたぐり寄せるような地道な作業の結果であることが分かります。

今、新選組の歴史研究家と言えば別の方々が大御所のように扱われていて、釣洋一さんの名前が検索結果の上位に出てくることはありません。

たった1回の勉強会しか参加していないけれど、釣さんは学者肌。だって、「歴史は科学だ」という前提で新選組の史実を紐解いてきたのは、本や勉強会を通じてヒシヒシと感じられるから。

と同時に、頑固なまでに科学的に検証することを貫いてきたから時間もかかるし、一般向けしないのかも。

現存する資料について、「本当に真実なのか?」という視点から新選組の歴史を研究なさっていることがたった100ページ弱しか読んでいない私にも分かります。

それはつまり、すでに発表されている資料を疑ってかかる、という検証方法。

たとえば、「夜の◯刻」みたいな記述から「実際にどれ位の暗さだったのか」と検証したり。

調べれば分かる「潮流」から「この記述通りに◯◯から◯◯へたどり着くことは不可能だったはず(または可能だった)」と言うような方法で研究しているのが釣洋一先生です。

この本の中に書かれている言葉が非常に印象深かったのでご紹介。

活字文は資料ではあっても、史料ではない ー 歴史を研究する人にとって、この気構えは一番大切なものであろう。

改めて、釣先生の勉強会に出会えたのは幸運だったな~と思います。

先生はとてもお元気なご様子ですが、それでも御年80才。

本当に新選組について学びたいと思う人は絶対にこの勉強会に参加すべきですよ。

この本がオンデマンド・ペーパーブック(1冊から受注印刷される本)として、今でも入手できて本当に良かったです

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この記事を書いた人

このブログは2010年から2014年まで、オーストラリア・シドニーで過ごすことになった子供たちの記録を綴るために始めました。
子供たちが大きくなるにつれて、私自身の趣味についての記事が増えています。
好奇心旺盛で、自分で調べて様々なことに挑戦することが好きです。

コメント

コメント一覧 (2件)

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    以前、釣洋一先生のご講演を聴きにいったことがあります。
    つい先日も、お姿をお見かけしてご挨拶しました。お元気そうで何よりと思います。
    インターネットは大変便利ですが、情報が偏っているのは否めませんね。
    釣先生のご活躍に関する情報が乏しいのと同様に、冨成博先生や郡義武先生についてもあまり情報がありません。
    (お二人とも釣先生とご親交のある研究家で、『新選組誠史』あとがきにもお名前が出てきます。)
    最近、Twitterで池田屋事件の研究書をいくつか紹介しました。
    しかし、自ら活発にツイートされている研究家の著作に比べると、冨成先生の『新選組・池田屋事件顛末記』『池田屋事件始末記 吉田稔麿の最期』に対してはリアクションが鈍く、残念に思いました。
    『新選組誠史』は、入手した当時にとても興味深く読みました。
    当方ブログでも今後、釣先生のご著作を取り上げたいと思っております。

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    >東屋梢風さん
    こんばんは。
    教えていただいた冨成博先生と郡義武先生のお名前は初めて知りました。まだまだ知らない事ばかりなので、こうしてコメントを頂けると勉強になります。
    東屋梢風さんはTwitterもなさっていらっしゃるのですね。ブログの連動以外の使い方が分かっていないのですが、東屋梢風さんに辿り着けたらフォローさせて頂きたいです。
    釣先生の本についての考察もぜひ楽しみにしています。

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