おはようございます。遅咲きの桜鬼です。
【新選組奮戦記】を読み終えました
1日フリーの日があれば数時間で読み終えることができるくらい薄い本なのに、ずっと時間がなくて、この本が視界に入る度にちょっとしたストレスだったんです
無事に読み終えることができて、ひと安心。
史実としての正しい知識を求める人もいらっしゃるとは思うのですが、私は別に「◯年◯月に何が起こった」というような知識が欲しくて新選組の本を読んでいる訳じゃなくて、むしろ生き残った人々の肉声を聞きたいだけ。
なので、読み物として「何が書かれているか」に興味を持っています。
この本で一番楽しみにしていたのは、子母澤寛さんの本では窺い知ることの出来ない、「新選組と袂を分けた後の永倉新八さんの半生」という部分。
実際はそう多くページが割かれている訳ではないのだけれど、とても興味深く読みました。
特に【靖共隊の隊長・芳賀宣道(はが・ぎどう)】という人は「唐突に出てくる人」という印象で、ずっとどういう関係なのだろうと気になっていたので、この本を読んでスッキリしました。
以前も書いた通り、永倉新八さんのインタビュー記事として小樽新聞に掲載された内容は、2つの本として現存しています(この記事のコメント欄に東屋梢風さんからの情報がありますので、どちらを買うか迷っている方や違いを知りたい方はコメント欄と東屋梢風さんのブログ記事を是非お読み下さいね)。
簡単に言えば、私家本としてご子息が出版したのが【新撰組顛末記】で、その記述に様々な改ざんが見つかったために小樽新聞の記事に忠実なものとして出版されたのが【新選組奮戦記】です。
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新聞記事をほぼ原文で載せているのが【新選組奮戦記】と理解してこの本を買ったのですが、東屋梢風さんのブログで貴重な情報を知り、最近になって単行本の新撰組顛末記を探して購入した経緯があります。
【新選組奮戦記】の各章の最後に掲載されている注釈は、インタビューで永倉新八さんが話した年月日や内容が史実と違う部分についての補足が細かく書かれています。
もちろん、史実と言っても現時点で史実と理解されているだけのことで、今後新たな発見があれば内容は変わるのですけどね。
以前、知恵袋か何かで永倉新八さんを批判するような書き込みを見かけたことがありました。
それは永倉新八さんが帰藩して保護を受けたことに対して、「武士としての潔さを感じられない」というようなものだったと記憶しています。
でも、彼が生き延びなければ新選組の歴史は謎のままの部分も多かっただろうし、弔いのための様々な慰霊碑も存在しなかった。
人を批判するのは簡単。
しかも、こんなに平和な時代に生まれ育った私たちに、彼らのイデオロギーをたやすく理解できるわけが無いはず。
少なくとも、私たちは直接の先祖だけじゃなくて日本の歴史を創ってきたすべての人たちの延長線上に生まれてきたのだから、すべてをただあるがままに受け留められたら良いのにな・・・と思ってしまう私は甘いのでしょうか。